時間割コード
Registration Code
0025308
科目区分
Course Category
基礎セミナー
First Year Seminar
科目名 【日本語】
Course Title
基礎セミナーB
科目名 【英語】
Course Title
First Year Seminar B
使用言語
Language Used in the Course
日本語
テーマ(基礎セミナーのみ)
Theme of First Year Seminar(First Year Seminar Only)
細胞を観る記載する,そして伝える
担当教員 【日本語】
Instructor
宮田 卓樹 ○
担当教員 【英語】
Instructor
MIYATA Takaki ○
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
Ⅱ 金曜日 3時限
II Fri 3


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course [JPN]
少人数のセミナーの形式で,大学で学び研究するための最も基本的なスキル(コモン・ベーシック)としての読み(文献調査,考察,検討),書き(まとめ,報告書作成),話す(討論,発表)を中心とした多面的な知的トレーニングを行います。基礎セミナーAに加えて,さらに「知の探究のプロセス」と「学問の面白さ」を学び,自立的学習能力を身につけることを目的としています。教員の研究分野に応じて多様なテーマが用意されています。
授業の目的 【英語】
Goals of the Course [ENG]
This course is conducted in the form of a seminar with small groups. We will provide multifaceted intellectual training focused on reading (literature research, consideration, examination), writing (summary, report writing), and speaking (discussion, presentation) as the most basic skills (common basic) for learning and studying at university. In addition to First Year Seminar A, our goal is to acquire the independent learning ability by further learning the "process of knowledge exploration" and "interesting learning". A wide variety of themes are prepared according to the research field of the instructors.
授業の達成目標 【日本語】
Objectives of the Course [JPN]
臨床研究あるいは行政などすべての医学部出身者にとり.質問を発するということは.他の職種でもそうであるように重要・不可欠な「商売道具」である.本セミナーでは,各自が「受け持ち医・現場担当者」とし担当相手(コロオギ.胎生期マウス組織)」に向き合い,独自の問いを持つことを目指す.そして,そうして「湧いた」あるいは「苦労して見つけた」問いに基づく自らの考察を也の学生等に対して披露し,相互に,発表者に対する質問を発しあい謙繍を深める.
授業の達成目標 【英語】
Objectives of the Course [ENG]
This course encourages each student to observe living objects (crickets and mouse tissues), to describe how the objects are, and to tell the observer's findings to other students who are expected to ask as many questions as possible, together exemplifying a scientific way to deepen understanding of the objects and related issues based on their own experiences and mutual stimulations.
授業の内容や構成
Course Content or Plan
第1部 「コオロギ (生きざまの観察,カラダのつくりしらべ)」(第1週~第7週) 
各自がエンマコオロギを受け持ち,自宅で,毎日,世話・観察をする.全般的な観察に加えて,脳神経運動系,循環系,呼吸系,消化系,泌尿生殖系の5チームに分かれ、「チームごとの視点」での観察,調査などを行い,レポート(科学的視点・疑問,調査等に裏打ちされた客観性,見守りの責任・自主性などの表れが期待される)を提出する.レポート」の相互披露に基づいた質疑応答・ディスカッションを行い,脳神経運動系,循環系,呼吸系,消化系,泌尿生殖系のそれぞれに対して、受け持ちチームではない学生から、注目すべき点,知りたい項目など,次の週からの解剖・調査に先立って、疑問・質問を投げかける.受け持ちチームは投げかけられた疑問を受け止め,のちの解剖や調査の時間に解決を目指す・チームの活動に活用する.その後の発表会やレポートにおいて、調査・考察の結果を披露する.第3週目よりチームごとに,顕微鏡下に解剖.スケッチ,スマホでの記録を行う.「受け持ち継続レポート」を適宜続け,のちの発表・総合レポート等に役立てる.
第2部 「マウス胎仔の器官の観察,培養組織片の成長・変化の観察」 (第8週~第12週)
(1)脳神経運動系,循環系,呼吸系,消化系,泌尿生殖系のそれぞれの「起源・発生」に対して,受け持ちチームではない学生から注目すべき点,知りたい項目など,解剖・調査に先立って、疑問・質問を投げかける.受け持ちチームは投げかけられた疑問を受け止め,解剖や調査の時間に解決を目指す・チームの活動に活用する.のちの発表会やレポートにおいて,調査・考察の結果を披露する.
(2)ホルマリン固定したマウス胎仔に対して 「チーム」ごとに,それぞれが対象とする「脳」「心臓」「肺」「消化器」「泌尿生殖器」が胎生期にはどのような様子なのか,参考書等を用いつつ解剖し,探し当てる.受け持ち器官・組織片の「変化」の観察,記録.本来の(生体内での)器官成長のようすとの類似性,相違点を考察.最後に総合討論を行う.
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
履修条件は要さない.
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
発表会やレポートにおいて、質問・議論への積極的な参加を求める.必ず、各自が一つ以上の質問を.投げかけられた疑問を受け止め,のちの解剖や調査の時間に解決を目指す.解剖対象器官のありよう・構造・外科的進入法を必ず調べてくる(参考書貸し出し可,ネットも参照を).ホルマリン固定したマウス胎仔に対しては, 「チーム」ごとに,それぞれが対象とする器官が胎生期にはどのような様子なのか, 「ルート探索」の予習が求められる.
【授業の達成目標】に記載した内容が達成されることを合否の基準とする.
成績評価基準は,『全学教育科目の履修の手引き』を参照.
学期途中で履修の取りやめを希望する場合は,担当教員の許可を必要とする.
教科書
Textbook
教科書はとくに指定しない,が毎回の授業で講義資料を配布する.
参考書
Reference Book
研究室内の各種書物を自由に参照してよい.
課外学修等
Study Load (Self-directed Learning Outside Course Hours)
コオロギ期間・マウス期間ともに① 運動・脳・神経,② 循環,③ 呼吸,④ 消化,⑤ 泌尿・生殖という5つのシステムを担当する5チームに分かれて受け持ち学習(解剖を含む)を行うので,それぞれのシステムの解剖学的情報をインターネットや研究室の図書等から得ておく(旅行や登山などに際して地図を参照しルートを考えておくような準傭をしておく)必要がある.どこをどう「切る・掘る」ぺきか,代案ルートは,など,練っておく必要がある.
注意事項
Notice for Students
本授業に関するWebページ
Reference website for this Course
担当教員からのメッセージ
Message from the Instructor
コオロギの飼育,麻酔,実体顕微鏡を用いての解剖,マウス胎仔の解剖,臓器採取,顕微鏡撮影,細胞培養,観察,などなど,体験・実習形式を重視します.皆さんの積極的な「ふしぎにおもうこころ」,「質問という行為」,を期待します.

<上記「名大の講義 Topics No.10 What is 基礎セミナー?」中のインタビューより抜粋>
Qこの授業を通して、先生が学生に最も伝えたいことは何でしょうか?
(1)人体に由来する教材を使っての学習が続き、やがて生きたヒト相手の臨床実習に進むという医学科の1年生に対して、本セミナーが、生きているコオロギ、さっきまでは生きていたマウスの胎仔、臓器のモト、組織、細胞など、(これから続く科目群あれこれがそうであることの前触れとして)「命」にどっぷり漬かった実習であることを意識してもらえたらと願っています。教科書・参考書の情報は、ボタンを押せば自動販売機から出て来る、あるいはモニター画面から美しく飛び出して来るなにか便利なもの、などではなく、手間をかけ、実験動物の命を奪って得られる(た)もの、めんどうくささや、肉感など、本物につきまとうあれこれを通ってたどり着くもの...である、というような感覚・体験を持って欲しいというのが一つでしょうか。
(2)「新しい(知らない)相手」に対して、好奇心を持ち、誠実に向き合う、問う、ということに、(きっと不慣れであろうから)少しずつ慣れて欲しいと思っています。未知なる病気や、はじめて会う患者、新しいメカニズム・謎などに対して、知的な関心・誠意をもって向き合う、見守ることは、将来の彼らの(ほとんどがそうなるであろう臨床医だろうが、本当は少数派として確保したく願う基礎研究者だろうが)日々の営みにとってとても大切です。本物に触れるという実体験をきっかけとして、「知的な腰軽さ」、積極性のようなものを持ってほしい。「ヒト」「医」には関心がもともと高かろうことは承知で、むしろ「そうでない何か(生き物)」だろうが積極的になれる、そこに潜むヒトとの共通性や相違に対して向き合える、そうした広さ・普遍性を意識できる、とんでもなく未知な相手だろうがひるまない(ならば余計に闘志が湧く)という、将来を担う若人に期待したいありようを念頭に、コオロギは貴重な対象であると考え、ずっと用いています。
実務経験のある教員等による授業科目(大学等における修学の支援に関する法律施行規則に基づくもの)
Courses taught by Instructors with practical experience
授業開講形態等
Lecture format, etc.
A-1) 対面授業科目(対面のみ)
対面授業の場合の講義室は、時間割B表(名大ポータル>教養教育院ページ掲載)を確認すること。