授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | この授業では、政治学とその関連分野における公共政策研究について、導入的な議論を行う。本授業の第一の目的は、現代の政治・行政活動の中で、公共政策が立案、実施、評価される一連の過程を理解する上で必要な背景的な知識・理論を提供することである。とりわけ現実の政策形成に大きな影響力を持つアクターや政治・統治機構の役割に着目し、議論を進める予定である。また、国内外の様々な政策事例について、実証的な観点から分析・検討を加えるために有用な分析ツールをいくつか紹介することも目指す。
授業中に取り上げる具体的な政策課題について、受講生の興味関心を踏まえ、社会保障、教育、保健・公衆衛生、移民、労働市場規制等々、多種多様なテーマ・トピックを取り上げる予定である。また、授業の大部分ではひとまず一国内、特に中央政府レベルで立案・策定される政策を念頭に議論を進めるが、適宜、比較的な視点を取り入れ、例えば、ある政策の形成プロセスにおいて二つの国の間で違いが見られる理由や、政策イシュー間で異なる政策形成過程を辿るのはなぜかといった疑問への答えを議論・考察していく。また、個々の主権国家が単独で対処することが困難(もしくは不可能)な超国家的・グローバルな公共政策課題についても、授業の後半で一部取り上げる予定である。 |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | This course introduces students to the study of public policy in political science and related disciplines. The primary goal of the course is to provide students with the conceptual backgrounds to study the processes through which policy is designed, implemented, and evaluated in contemporary governance, of which the role(s) of key actors and institutions will receive particular attention. It also seeks to offer a set of analytical tools that students can utilize to understand and empirically examine the processes and outcomes of public policymaking in Japan and elsewhere. The course will cover a wide range of topics, including social security, education, public health, social care policy, and labor market regulations. In large parts of the course, we will mainly look at the conduct of public policy and policymaking at the national level while regularly adopting a comparative approach to stimulate students’ understanding and curiosity about, for instance, why countries A and B differ in the development of a certain policy, or why policymaking processes on issues C and D follow different paths. We will also dedicate a few sessions to exploring global public policy challenges that are difficult (or impossible) to address solely by individual sovereign states, as a short introduction to the study of international public policy. |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN) | | この授業を履修した学生は、 (1) 現代の公共政策とその発展についてより良い理解を得ることができる。より具体的には、公共政策とは何か、なぜ社会に存在する問題の解決に国家が介入する必要があるのか、そして現代的な民主主義国(あるいは異なる政治システム・統治機構を有する国々)の中でいかに政策形成がなされていくのかといった問いに対して、自らの言葉で答えることができる (2) 授業中に学んだ分析ツールや理論枠組みを応用し、様々な時事的制作事例の形成プロセスや要因について理解することができる (3)この授業の終了後も、(学生自らが望んだ場合)個々人の学問的関心やキャリア目標に即した公共政策課題に対して、自発的に研究・調査を行うことができる。
上記の専門的な知識の習得とあわせて、 (4)授業内での議論やプレゼンテーションの機会を通じて、学生のライティング・スキルやコミュニケーション能力の向上に資することも目標とする。 |
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到達目標 【英語】 Objectives of the Course | | Upon successful completion of this course, students will be able to: (1) have a better understanding of public policy and its development; more specifically, they can answer what public policy is, why we sometimes need government involvement in solving social/societal problems, and how (differently) such policies are developed in modern democratic nations and beyond; (2) nurture the ability to use analytical tools and frameworks that are taught in this course to identify the causes and processes of policymaking in a wide range of topical issues; (3) pursue further study of or research on public policy relevant to their own academic interests or career objectives beyond this course. Besides the substantive knowledge of public policy, the course will also help students (4) develop their writing and communication skills relevant to the progression of their academic study and/or professional development through in-class discussions and presentations. |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | 授業は秋学期、毎週木曜日1-2限(08:45-12:00、間に15分の休憩を挟む)の予定です。以下、予定されているスケジュールを記しますが、週毎の授業計画(2コマを一つのセッションと考える)であることに留意してください。
Week 1. イントロダクション、政治学・社会科学における「公共政策」研究 Week 2. 公共政策の基本構造 Week 3. 公共政策の決定プロセス ①(日本の事例) Week 4. 公共政策の決定プロセス ②(先進民主主義国の事例) Week 5. 公共政策の決定プロセス ③(新興国の事例) Week 6. 公共政策における比較分析の手法・アプローチ Week 7. 公共政策の具体例 ①(福祉国家・社会保障政策) Week 8. 公共政策の具体例 ②(移民政策と労働市場規制) Week 9. 公共政策の具体例 ③(教育政策) Week 10. 複合的な公共政策課題・「ポリシーミックス」の視点 Week 11. 国家レベルの公共政策と越境的な政策課題 ① (保健・公衆衛生政策) Week 12. 国家レベルの公共政策と越境的な政策課題 ② (気候変動対策) Week 13. 国家レベルの公共政策と越境的な政策課題 ③ (国際的な難民保護と責任分担) Week 14. 国際行政・公共政策の基本構造と課題 Week 15. 期末課題(ポスター)発表
尚、上記の内容はあくまで予定であり、変更の可能性があります。具体的には、7-9週目、11-13週目に取り扱うトピック・政策イシューについては、初回授業時に履修者・受講希望者の興味・関心を伺い、相談した上で最終決定します。また毎回の授業は、リーディング課題の予習を前提に進めます。具体的なリーディング課題をリスト化した詳細なシラバス・授業計画を初回授業時およびTACT上で配布する予定です。 |
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履修条件・関連する科目 Course Prerequisites and Related Courses | | 特段の受講要件は課しません。法学的な見地から「公共政策」を勉強したい場合は行政法系の科目、またこの授業では本格的に取り上げる予定のない地方公共団体レベルの政策立案・実施に興味のある学生さんは、「地方自治論」といった科目をあわせて受講することを勧めます。 |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | (1) 授業への参加(30%): 毎回の授業への積極的な参加と授業内で課された課題(グループワーク等)への取り組みを総合的に評価します。毎回の授業への出席は必須ですが、原則として出席したことのみによる評価(いわゆる出席点)はないと考えてください。但し、受講生の数が予定数を大幅に超えて上記の方法での成績評価が実務的に難しいと判断される場合には、リアクション・ペーパー等を授業後に提出してもらい、出席点として換算する方式に変更する可能性があります。何らかの変更が生じる場合には、初回授業時またはTACT上で周知します。
(2) リーディング課題に対するレビュー・ノートの提出 (2回)(30%): 第2-6週目の授業の間で1回、第7-13週目の授業の間で1回の計2回、リーディング課題に対するレビュー・ノート(A4サイズ2枚程度)の作成を課す予定です。全体の受講人数にもよりますが、1回目はペア(もしくは3-4人の少人数グループ)での課題、2回目は個人の課題としてノートの作成・提出をお願いする予定です。より具体的な課題の作成・提出方法については、授業内並びにTACT上にて周知します。
(3) 最終課題(ポスター)+ 発表(40%): この授業の期末課題として、各学生の興味関心のある政策課題を一つ選び、その要点をまとめたポリシー・ブリーフをポスターの形で作成・提出してもらいます。加えて、最終授業回にて各自10分程度のポスター発表を行い、それらの出来を総合的に評価します。上記の課題同様、具体的な要件・ポスターの作成方法などについては、開講後に授業内/TACT上にて周知します。 |
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教科書・テキスト Textbook | | この授業は、特定の教科書に依拠するものではありません。毎週のリーディング課題(原則、20-30ページほどの長さの論文・本の章を1-2報)については、電子ファイルにてTACT上で配布します。 |
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参考書 Reference Book | | 公共政策(学)に関する日本語の参考書として、以下の文献を紹介します。いずれの書籍も本講義(特に前半部)で扱う内容と親和性が高いと思いますが、完全に一致するわけではありません。また、あくまで参考書であり、本授業の履修のために購入が必要なわけではありません。あわせて受講者の興味関心にそった書籍や論文についても、授業の進捗に応じて適宜紹介する予定です。 • 秋吉貴雄・伊藤修一郎・北山俊哉『公共政策学の基礎(第3版)』(有斐閣、2020年) • 砂原庸介・手塚洋輔『公共政策(新訂)』(放送大学教育振興会、2022年)
あわせて、関連する英語の概説書として、以下のものを挙げます。日本語文献と同様、本授業を履修する上で購入が必要なわけではありません。 • Howlett, Michael, M. Ramesh, and Anthony Perl. 2020. Studying Public Policy: Principles and Processes. 4th Edition. Oxford University Press. |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | 上述の通り、毎回の授業はリーディング課題の予習を前提に進めるため、指定された文献についてはきちんと目を通した上で授業に参加してください。 |
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注意事項 Notice for Students | | (1) 授業の内容・構成については、進捗に応じて適宜変更する可能性があります。変更の必要が生じた場合には、授業内並びにTACT上で周知します。 (2) 授業の進行・成績評価に関して、特別措置が必要な学生に対しては柔軟に対応します。但し、特別措置を必要とする学生は、授業開講・履修登録時に担当教員と個別に相談するようにしてください。 (3) 課題の提出に関して、論文の盗用・剽窃や不適切な文献の引用等、不正行為とみなされる行為が確認された場合には、名古屋大学法学部・大学院法学研究科の規定に沿って厳正に対処します。課題の提出に不安を抱える学生は、担当教員に事前に相談することを推奨します。 |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | |
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遠隔授業(オンデマンド型)で行う場合の追加措置 Additional measures for remote class (on-demand class) | | |
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