授業の目的 【日本語】 Goals of the Course(JPN) | | 日本語のアクセント研究は,豊富な地理的な変異と約1000年前にまで遡って往時のアクセントについて知ることができる文献資料の存在に支えられ,発展してきました。そして,琉球諸語・諸方言のアクセント調査・研究の進展や音韻理論の発展もあって,日本語諸方言のアクセント研究は近年さらに発展しています。担当教員もまた,日本語諸方言アクセントの調査と研究に魅力を感じ,それに従事してきた一人の研究者です。この授業を通して,アクセント研究,特に,フィールドワークにもとづく日本語諸方言アクセントの記述研究について,その魅力を伝えることが,担当教員の目標です。 |
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授業の目的 【英語】 Goals of the Course | | The study of "Japanese accent systems" has developed significantly, supported by the rich geographical variation found across dialects and the existence of historical records that allow us to trace pitch patterns back nearly 1,000 years. In recent years, research in Japanese accent systems has advanced further, thanks to the progress in field studies on Ryukyuan languages and various dialects, as well as developments in phonological theory. The instructor of this course is also a researcher who has been engaged in the investigation and analysis of Japanese accent systems, drawn to the fascinating nature of this field. Through this course, the instructor aims to convey the appeal of accent studies, particularly the descriptive research of Japanese accent systems based on fieldwork. |
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到達目標 【日本語】 Objectives of the Course(JPN) | | 〈1〉日本語諸方言のアクセントの研究のために必要な概念などを理解し,適切に用いることができる。 〈2〉方言アクセントの音声を聞き取り,聞き取り結果に基づいて,アクセントの分析ができる。 |
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授業の内容や構成 Course Content / Plan | | 01 イントロダクション 02 日本語アクセントの基本的な事項を知る(1)【教科書 1.1〜1.5】 03 日本語アクセントの基本的な事項を知る(2)【教科書 2.1〜2.4,4.1】 04 日本語アクセントの基本的な事項を知る(3)【教科書 3.1〜3.5,4.2〜4.3】 05 日本語アクセントの基本的な事項を知る(4)【教科書 7.1〜7.2,13.2】 06 様々なタイプの方言アクセントを知る(1)【教科書 2.5,4.4】 07 様々なタイプの方言アクセントを知る(2)【教科書 8.1〜8.8,7.3】 08 様々なタイプの方言アクセントを知る(3)【教科書 5.1〜5.6,6.1〜6.5,7.4〜7.5】 09 方言アクセントに関する研究トピックを知る(1)【教科書 12.1〜12.8】 10 ここまでのまとめ(1):フィールドワークについて 11 ここまでのまとめ(2):レポート作成に向けた確認 12 方言アクセントに関する研究トピックを知る(2)【教科書 9.1〜9.9】 13 方言アクセントに関する研究トピックを知る(3)【教科書 10.1〜10.6,11.1〜11.5】 14 方言アクセントに関する研究トピックを知る(4)【教科書 13.3〜13.5】 15 まとめ:レポート完成に向けた確認
授業は二部構成で行われます。授業の前半は,教科書に基づく予習内容を踏まえて,日本語のアクセントの捉え方や,その表記法,さらには,日本語諸方言に見られるアクセントの諸タイプやアクセント研究の諸テーマなどについて議論します。予習課題を課しますので,毎回,担当となった受講生がその予習課題について解説を行い,それに対して教員や他の受講生が質問やコメントをし,理解を深めていきます。前半パートの目標は,日本語諸方言のアクセントの研究を行うために必要な基本的な概念や用語などについて理解することにあります。授業の後半は,レポートに関わる議論です。予め,ある方言アクセントの聞き取りをしてきた上で,講義内容などとも関連づけながら,各自の聞き取り結果についてのすり合わせや,分析に関する意見交換を行います。後半パートの目標は,講義パートで学んだ内容を踏まえつつ,アクセントの聞き取りを正確に行えるようになることと,より妥当な分析を見出していくことにあります。 |
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履修条件・関連する科目 Course Prerequisites and Related Courses | | 受講者のアクセントに関する知識の有無は問いませんが,この授業の内容の完全な理解のためには,言語学概論・日本語学概論程度の音声学・音韻論の知識が欠かせません。可能な範囲で補足はしますが,不明な点は各自で補ってください。学習のための相談にはいつでも応じます。なお,基本的には,言語学概論・日本語学概論程度の音声学・音韻論についての知識があることを前提として授業を進めます。例えば,「音素(音韻)」「調音点・調音方法・有声性」「広母音・狭母音」といった用語を聞いて,ピンと来ない人は,予めこれらの点について確認しておくようにしてください。 |
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成績評価の方法と基準 Course Evaluation Method and Criteria | | レポート試験 100%。 60点以上を合格とします。
《レポートの内容》 方言アクセントの聞き取り結果と授業内で得た知識等にもとづいて,その方言アクセントについて種々の観点から分析したものをまとめ,レポートとして提出してもらいます。
《評価のポイント》 レポートの主な評価のポイントは,(a)分析の妥当性,(b)専門用語や記号の使い方,(c)過不足のない具体例の提示,(d)引用文献の正確な提示,(e)全体的な論理展開と構成,(f)聞き取り結果の正確性,です。特に「(b)専門用語や記号の使い方」は,到達目標〈1〉を達成できているかが反映されるもので,そこに明らかな不備があるレポートはそれだけで不合格となります。 到達目標〈2〉の達成度を反映するものとして,聞き取り課題から得たデータと授業内で得た知識や情報を分析にどれだけ生かすことができているかも評価のポイントとします。授業内で扱ったこと全てが分析のヒントになり,また,ポイントとなります。単なる共時的な記述に留まらず,通時的な観点からも分析を試みることが望まれます。 《レポートへのフィードバックと講評》 個別にメールなどを通して行います。 |
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教科書・テキスト Textbook | | 松森晶子・新田哲夫・木部暢子・中井幸比古(編著)『日本語アクセント入門』三省堂,1,900円+税,2012年,ISBN:978-4-385-36531-2 https://www.sanseido-publ.co.jp/publ/gen/gen2lang/jgoacc_prm/ |
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参考書 Reference Book | | 〈辞典類〉 亀井孝・河野六郎・千野栄一(編著)(1996)『言語学大辞典 第6巻 【術語編】』東京:三省堂. 日本語学会(編)(2018)『日本語学大辞典』東京:東京堂出版. 斎藤純男・田口善久・西村義樹(編)(2015)『明解言語学辞典』東京:三省堂. 木部暢子(編)(2019)『明解方言学辞典』東京:三省堂. 森山卓郎・渋谷勝己(編)(2020)『明解日本語学辞典』東京:三省堂.
*『明解〜』の3つは,2000円前後で購入でき,持ち運びもしやすいサイズでオススメです。
〈音声学についての参考文献〉 斎藤純男(2006)『日本語音声学入門 改訂版』東京:三省堂.
その他の参考文献は授業中に紹介します。 |
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課外学習等(授業時間外学習の指示) Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours) | | 〈準備学習〉 事前に教科書の指定された箇所に目を通しながら配布された課題に取り組み,授業内容の予習を行ってください。この予習には最低でも60分程度の時間をかける必要があります。また,担当者になった方は,解説のための資料を用意してください。これと合わせて,方言アクセントの聞き取りを行う各自で行ってきてください。授業の後半では,聞き取りを各自で行なってきていることを前提に行われます。この聞き取り課題の予習には30分程度の時間をかける必要があります。
〈事後学習〉 毎回の授業内容について振り返り,適宜,授業内容の復習を行ってください。また,方言アクセントの聞き取りは,予習としての聞き取りの他に,さらに聞き取りをする必要があります。聞き取りを含めて復習には60分以上の時間をかける必要があります。 |
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履修取り下げ制度(利用の有無)学部のみ Course withdrawal | | 利用する。:『履修取り下げ届』を期日までにTACTのメッセージ機能あるいはメールにより連絡した場合は原則「Wもしくは欠席」となりますが、連絡をしない場合は成績評価が行われ、合格基準に達しない場合は「F」となります。 |
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備考 Others | | 〈この授業の心理的安全性について〉 この授業にはすべての参加者が安全に参加できます。ここに言う「安全」とは,議論の場において,どんな意見やアイディアを言っても良いということです。失敗や分からないことがあっても,それを叱責するのではなく,今後どうすべきかを前向きに検討していきます。この授業の安全性は,授業担当者が担保します。 また,この授業においては,如何なるハラスメントも許しません(この授業のアンチハラスメントポリシーは以下のリンクから)。
アンチハラスメントポリシー https://www.hirakota.com/anti-harassment-policy |
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授業開講形態等 Lecture format, etc. | | A-1)対面授業科目(対面のみ) A-1)Face-to-face course (Only face-to-face classes) |
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