学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
学部
時間割コード
Registration Code
0011314
科目名 【日本語】
Course Title
化学基礎Ⅰ
科目名 【英語】
Course Title
Fundamentals of Chemistry I
使用言語
Language Used in the Course
日本語
担当教員 【日本語】
Instructor
柳井 毅 ○
担当教員 【英語】
Instructor
YANAI Takeshi ○
単位数
Credits
2
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
Ⅰ 月曜日 3時限
I Mon 3


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course [JPN]
化学は物質とその変化を扱う学問領域であり,広く理系分野の基礎となります。その対象は,原子から,様々な分子,高分子,固体,液体,さらに生体に存在する物質や地球環境に存在する物質,また,宇宙を形成している物質にまで及びます。私達は,様々な物質に囲まれ,これらを活用して生活を営んでいるので,物質とその振る舞いについての理解は重要です。化学基礎Ⅰ,Ⅱは,通年で連続して受講することにより,原子,分子などの物質の基本的単位がどのように組み立てられるかをはじめとして,様々な物質の構造とそのはたらき,物質へのエネルギーの出入り,化学反応の進み方,さらには生命現象や生活と物質とのかかわりなど,化学の基本的事項と魅力を体系的に学べるよう計画されています。  
授業の目的 【英語】
Goals of the Course [ENG]
Chemistry is a discipline that deals with substances and their changes, and is the basis of a wide range of science fields. The targets range from atoms to various molecules, macromolecules, solids, liquids, substances existing in living organisms and global environment, and also forming the universe. We are surrounded by various substances, so it is important to understand substances and their behavior.
Fundamentals of Chemistry I and II designed to be taken consecutively throughout the year, include how the basic units of substances such as atoms and molecules are assembled, and also deal with the structures and functions of various substances. It is planned to systematically learn the basics and attractiveness of chemistry, such as the inflow and outflow of energy, the progress of chemical reactions, and the relationship between life phenomena and substances.
授業の達成目標 【日本語】
Objectives of the Course [JPN]
この授業が終わる頃には,身の回りの出来事(氷が溶ける,鉄がさびる,薬が効く,物質が光る…など)を見たときに,「へぇ〜」で終わらせず,自分の言葉で“なんでそうなるのか”を説明できるようになることを目標にします。

そのために,化学を次の3つの視点で整理して考えられるようになります。

熱力学:「その反応は起こるの?どこまで進むの?」,
反応速度・化学平衡:「どれくらいの速さで進むの?」「反応がどこで落ち着くの?」
量子化学:「原子や電子は何をしていて,それが性質にどう効いているの?」

を追いかけます。

自由エネルギーやエントロピーといった言葉も,ただ覚えるのではなく,現象を考えるための道具として使えるようになることを目指します。
平衡を「止まっているように見えて,実は動いている状態」としてイメージできるようになり,初めて学ぶ量子化学の入口として,なぜ量子の考え方が必要なのかも説明できるようになります。
最終的には,周期表の形や結合,分子の形や色といった身近で不思議なテーマを,“なるほど”と筋道立てて語れるところまでいくのがゴールです。

高校の化学は,正直「覚えること多すぎ!」と感じた人も多いかもしれません。
でも大学の化学(「物質のサイエンス」)は,暗記よりもむしろ「なんでそうなるの?」を,高校で学んできた「物理学」や「数学」をつかって,筋道立てて説明できるようになるところが面白さです。

高校までとはがらっと印象が変わる,大学化学の楽しさや力強さをぜひ味わってほしいと思っています。
授業の達成目標 【英語】
Objectives of the Course [ENG]
Chemistry is a field of study that explores what matter is made of and why and how it changes. Its scope ranges from the microscopic world of atoms and molecules to materials used in everyday life such as plastics, metals, glass, and batteries, as well as substances found in living systems, the Earth’s environment, and even the universe itself. Our daily lives are supported at every level by the properties of materials and the rules that govern their transformations. Learning chemistry therefore provides a deeper and more structured way to understand the world around us.

In Chemistry Fundamentals I and II, students who take the courses consecutively over the academic year will systematically learn the foundations of chemistry, beginning with how basic units such as atoms and molecules are organized to produce a wide variety of structures and functions. The courses also focus on energy transfer in matter (why chemical reactions occur), the progress of chemical reactions (how fast they proceed and how far they go), and the relationships between chemical processes and real-world phenomena, including life, technology, and society. Through these topics, students are encouraged to view chemistry not as a subject of memorization, but as a way of thinking that allows us to explain phenomena, make predictions, and design new systems based on scientific principles.
授業の内容や構成
Course Content or Plan
この授業は,化学を理解するための“3つの見方”を順番に手に入れていきます。

前半:化学熱力学
まずは「起こる/起こらない」を決めるルールを学びます。
ここでの主役は 自由エネルギーとエントロピー。「反応って“お得”なら進む」という感覚がつかめると,一気に楽になります。

中盤:反応速度と平衡
「起こるのは分かった。でも遅いのはなぜ?」を扱います。化学は“時間”も支配しています。
さらに平衡では「止まって見えるのに止まってない」という,不思議で大事な世界に入ります。

後半:量子化学
ここからはミクロの世界へ。「原子や電子がどう振る舞うから周期表はあの形なの?なんで炭素には“手”が4本あるの?分子って,どうしてあの形になるの?」
――この“根っこ”を見にいきます。難しそうに見えるけど,ちゃんと順番にやれば大丈夫。水素原子から丁寧にいきます。

この授業では,私たちの社会を支える基礎科学である化学という分野が,ここまで発展してきた背景にある 「理由がわかる気持ちよさ」 を大切にしながら講義を進めます。

1.ガイダンス:化学は暗記科目?何を説明できる?
2.化学熱力①:エネルギーで世界を見る
3.化学熱力②:エントロピーという“世界のクセ”
4.化学熱力③:反応は“お得”かどうかで - 自由エネルギーとは
5.反応速度①:反応が速い・遅いって?
6.反応速度②:化学は“時間”も操る
7.化学平衡:止まって見えて,実は動いている
8.なぜ量子化学が必要なのか?
9.水素原子:量子化学で「完全に説明できる世界」
10.原子軌道:電子は「どこにいる」のか
11.多電子原子と元素の周期表:周期表はなぜこの形なのか?
12.分子:分子軌道と共有結合:原子とがつながる理由
13.分子:混成軌道と分子構造:分子の形を説明する
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
化学基礎Ⅰは,Ⅱ期に開講される化学基礎Ⅱと一対となる科目であるため,引き続き化学基礎Ⅱを受講することをすすめる。また,Ⅱ期に開講される化学実験は,実験を通して化学を学ぶ科目であり,併せて履修することをすすめる。
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
・演習問題,レポートと定期試験(中間・期末)により総合的に評価する。
・履修取下げの際に申し出を必要としない。
・定期試験(中間・期末)を欠席の場合,「W」とする。
教科書
Textbook
特に指定しないが,毎回の授業で講義資料を配布する。
参考書
Reference Book
阿波賀邦夫著『物理化学入門』(東京化学同人)
アトキンス原著『物理化学』(上・下)(東京化学同人)
マッカーリ・サイモン原著『物理化学―分子論的アプローチ』(上・下)(東京化学同人)
米国化学会によるプロジェクト原著『実感する化学』(上・下)(エヌ・ティー・エス)
課外学修等
Study Load (Self-directed Learning Outside Course Hours)
・TACT上の資料や参考書等で予習しておくこと。
・授業後に関連した演習問題やレポートを課すので,取り組むこと。
注意事項
Notice for Students
・講義資料はTACT上でも公開する。授業前にTACT上の資料をできればダウンロードしておく。
・授業後には講義内容を復習しておくこと。
本授業に関するWebページ
Reference website for this Course
担当教員からのメッセージ
Message from the Instructor
高校までに学んできた化学は、「覚えることが多い科目」という印象が強かったかもしれません。一方で、物理や数学は「理屈が分かるとスッと理解できる科目」だと感じていた人も多いのではないでしょうか。大学で学ぶ化学は、その物理や数学の考え方を使って、化学現象をきちんと説明していく学問です。

物質のサイエンスは,社会に直結する実感できる科学です。世の中の先端技術は,化学の理屈や技術に,直に立脚しています。

この授業では、公式をただ使うのではなく、「その式は何を意味しているのか」「なぜその形になるのか」を大切にします。高校で学んだエネルギー保存や運動、グラフの読み取り、簡単な微分・指数関数などが、化学の中でどう役に立つのかを、具体例を通して見ていきます。「あ、これ物理でやったやつだ」「数学がここで効いてくるんだ」と感じてもらえる場面が、きっとあるはずです。

最初から完璧に分かる必要はありません。分からないところがあっても、それは自然なことです。大事なのは、「なんでそうなるんだろう?」と考えることと、途中で投げ出さずに考え続けることです。授業では、その手助けをします。

化学は、暗記する学問ではありません。考えることで世界がつながって見えてくる学問です。この授業を通して、「分かるって楽しい」「理由が分かると気持ちいい」という感覚を、ぜひ味わってください。一緒に、大学で学ぶ化学の面白さを見つけていきましょう。
実務経験のある教員等による授業科目(大学等における修学の支援に関する法律施行規則に基づくもの)
Courses taught by Instructors with practical experience
授業開講形態等
Lecture format, etc.
B-1)対面授業科目(一部遠隔:同時双方向あり)で実施する。
原則,対面で実施する予定であるが,オンライン授業で実施する際には事前の授業やTACT講義サイトのお知らせにて指示する。
対面授業の場合の講義室は,時間割B表(名大ポータル>教養教育院ページ掲載)を確認すること。