学部・大学院区分
Undergraduate / Graduate
人文・博前
時間割コード
Registration Code
2020409
科目区分
Course Category
専門科目
Specialized Courses
カリキュラム年度
Curriculum
2022年度入学以降
教育プログラム・分野・専門等
Major
日本語学P
科目名 【日本語】
Course Title
日本語意味論発展演習
科目名 【英語】
Course Title
Advanced Seminar on Japanese Semantics
コースナンバリングコード
Course Numbering Code
HUMAJ6109J
担当教員 【日本語】
Instructor
李 澤熊 ○
担当教員 【英語】
Instructor
LEE Tack ung ○
開講期・開講時間帯
Term / Day / Period
秋 金曜日 2時限
Fall Fri 2
隔年開講
Biennial class
単位数
Credits
2
対象学年
Year
他学部生の受講の可否
Propriety of Other department student's attendance
授業形態
Course style
演習
Seminar
教職【入学年度】
Teacher's License
教職【教科】
Teacher's License
学芸員資格(該当の有無)
Curator's Qualifications
講義題目
Title


授業の目的 【日本語】
Goals of the Course(JPN)
本授業では、さまざまな言語表現を手がかりに、認知言語学および意味論の理論的枠組みについて理解を深めることを目的とする。特に、現代日本語における類義語および多義語を取り上げ、具体的な用例に基づきながら、その意味構造や概念的背景について分析・考察を行う。先行研究を批判的に検討しつつ、意味分析の方法論を実践的に習得することを目指す。

 
授業の目的 【英語】
Goals of the Course
This course aims to deepen students’ understanding of cognitive linguistics and semantics through the examination of various linguistic expressions. Focusing on synonyms and polysemous words in contemporary Japanese, students will analyze their semantic structures and conceptual backgrounds based on concrete examples, while critically engaging with previous studies and developing methodological skills in semantic analysis.
到達目標 【日本語】
Objectives of the Course(JPN)
本授業の終了時には、学生が以下の能力を身につけていることを目標とする。

(1)認知言語学および意味論に関する専門的知識を体系的に理解し、理論的観点から言語表現を分析することができる。

(2)類義語・多義語を中心とした意味分析の方法論について理解し、先行研究や具体例を踏まえながら、学術的に説明・議論することができる。
授業の内容や構成
Course Content / Plan
本授業は、文献講読、分析演習、受講生による発表および討論を中心に進める。各回では、先行研究を踏まえつつ、意味論的・認知言語学的観点からの分析を行う。

1)~6)
先行研究を踏まえ、以下の内容について講読・議論を行う。

・認知と言語
・認知言語学の基本的な考え方
・認知言語学における主要概念
 ― カテゴリー化/プロトタイプ
 ― 百科事典的意味/フレーム
 ― ベースとプロファイル/家族的類似性
 ― 二次的活性化
 ― 分析可能性

7)~12)
先行研究を踏まえ、以下の内容について講読・分析・議論を行う。

・現代日本語意味論の理論的枠組み
・類義語分析の方法と実際
・多義語分析の方法と実際

13)~15)
・受講生によるクラス発表
・総合討論(分析結果の共有と理論的整理)

※授業で扱うトピックや資料は、教科書の内容に限らず、理解を深めるために関連する他の文献や資料を適宜取り上げることがある。
※本授業の内容および進行計画は、受講生の理解度や関心、授業の進行状況等に応じて、一部変更する場合がある。
履修条件・関連する科目
Course Prerequisites and Related Courses
研究生は受講不可
成績評価の方法と基準
Course Evaluation Method and Criteria
授業への参加度(20%)、口頭発表(30%)、レポート(50%)
※欠席回数が多いと不可
教科書・テキスト
Textbook
 『日本語の意味研究の新たな扉を開く― 意味分析の方法と実際 ―』、開拓社、李澤熊(2020)
参考書
Reference Book
李澤熊(2023)『現代日本語における意図性副詞の意味研究― 認知意味論の観点から ―』、ひつじ書房.
国広哲弥 (1982) 『意味論の方法』、大修館書店.
国広哲弥 (1997) 『理想の国語辞典』、大修館書店.
国広哲弥・柴田武・長嶋善郎・山田進・浅野百合子 (1982) 『ことばの意味3 辞書に書いてないこと』、平凡社.
柴田武・国広哲弥・長嶋善郎・山田進 (1976) 『ことばの意味1 辞書に書いてないこと』、平凡社.
柴田武・国広哲弥・長嶋善郎・山田進・浅野百合子 (1979) 『ことばの意味2 辞書に書いてないこと』、平凡社.
籾山洋介 (2002) 『認知意味論のしくみ』(シリーズ・日本語のしくみを探る)、研究社出版.
籾山洋介 (2021)『〈例解〉日本語の多義語研究 認知言語学の視点から』、大修館書店.

その他の参考文献は、必要に応じて授業中に紹介する。
課外学習等(授業時間外学習の指示)
Study Load(Self-directed Learning Outside Course Hours)
授業中取り上げる課題については、事前に参考文献を読んで、予習しておくこと。
履修取り下げ制度(利用の有無)学部のみ
Course withdrawal
備考
Others
私たちは日本語を日々自然に使っていますが、その意味の仕組みについて深く考える機会は意外と多くありません。本講義では、日本語母語話者であっても見過ごしがちなさまざまな意味現象を取り上げ、従来の精緻な意味分析の方法に加えて、認知言語学の視点を導入しながら、多角的に検討していきます。

例えば、「内容的に重なる」「ダブる」「かぶる」はどれも似た意味を表す表現ですが、実際の用法には評価や視点の違いが反映されています。また、「魚が腐る」という具体的な物理変化を表す語が、「政治家が腐る」という抽象的・価値判断的な意味へと拡張される背景には、どのような意味的連関や認知的動機づけがあるのでしょうか。この授業では、こうした身近でありながら奥深い問いを出発点として、日本語の意味解釈のメカニズムを丁寧に掘り下げていきます。

演習形式の授業であるため、文献の読解や事例分析、意見交換を通して、自ら問いを立て、考察を深めることを重視します。日本語の意味を「当たり前のもの」としてではなく、「分析し、説明すべき対象」として捉え直すことで、日本語を見る目は大きく変わるはずです。日本語学に関心のある方はもちろん、言語そのものの仕組みに知的好奇心をもつ方にとっても、多くの発見がある授業です。
授業開講形態等
Lecture format, etc.
A-1)対面授業科目(対面のみ)